ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
――――チリンチリン。
うとうとしていた俺は、ドアが開く鈴の音でハッとした。
オーナー…にしては、早すぎる。
となると、お客さんか。
「いらっしゃ…」
立ち上がりながら振り返ると、そこには意外にも意外すぎる人が立っていた。
驚きすぎて、しばらく声も出ない。
それは相手も同様らしく、固まったまま動かない。
「…先生、なんで」
俺の口からようやく出た言葉は、たったそれだけ。
そうだ。
現れたのは、南先生。
じゃなきゃ、こんなにも動揺なんてしない。
「コーヒーを、飲みたくて…」
「あぁ、コーヒー…ね」
取り合えず彼女には、カウンタ席ーに座ってもらい、俺はコーヒーを淹れる準備を始める。