ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~



確かにあの2人は、今すぐどうこうなるような2人じゃない。



でもほっておいたら、ずーっとあのまんまなんじゃないかと思う。



「そんなに心配しなくても、大丈夫でしょ」



稀衣ちゃんはそう言う。



「郁也だって、ちゃんと分かってるよ」

「そーなの?」

「うん(たぶん)」



稀衣ちゃんがそう言うなら、信じるしかない。



他人の恋愛よりも、オレはオレの恋愛だけに集中できるし!



「稀衣ちゃん、ちょっと滑ってみよーよ」

「こ、転けるよ?絶対」

「オレが受け止める!」



オレは両手を広げてそう言った。



「信じていー…?」

「オレを信じたいと、思ったら」



オレのその言葉を聞いて、稀衣ちゃんは小さく頷くと、坂の少しだけ上から滑り始めた。



ほんの2mほど下りてきた所で、オレが稀衣ちゃんの体を抱き止めた。



「滑れたじゃん!」

「…滑れたうちに、入んないでしょ」



< 561 / 606 >

この作品をシェア

pagetop