ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
確かにあの2人は、今すぐどうこうなるような2人じゃない。
でもほっておいたら、ずーっとあのまんまなんじゃないかと思う。
「そんなに心配しなくても、大丈夫でしょ」
稀衣ちゃんはそう言う。
「郁也だって、ちゃんと分かってるよ」
「そーなの?」
「うん(たぶん)」
稀衣ちゃんがそう言うなら、信じるしかない。
他人の恋愛よりも、オレはオレの恋愛だけに集中できるし!
「稀衣ちゃん、ちょっと滑ってみよーよ」
「こ、転けるよ?絶対」
「オレが受け止める!」
オレは両手を広げてそう言った。
「信じていー…?」
「オレを信じたいと、思ったら」
オレのその言葉を聞いて、稀衣ちゃんは小さく頷くと、坂の少しだけ上から滑り始めた。
ほんの2mほど下りてきた所で、オレが稀衣ちゃんの体を抱き止めた。
「滑れたじゃん!」
「…滑れたうちに、入んないでしょ」