ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
【kie※side】



スキー合宿1日目。



ワンに教えてもらって、少しだけ滑ることができた。



今は宿に戻り、各自部屋で休んでいる。



「鮎沢ちゃん、郁也いたんでしょ?」



部屋割りは、グループのメンバーとだから、あたしは麗奈と茜と一緒だ。



「うん、偶然」

「茜とは相変わらずなの?」

「相変わらずだよ。すぐケンカしてる」

「そーいえば茜、遅くない?」



茜はさっき、飲み物を買いに行ってくると言って出たきり、まだ帰ってこない。



「迷ったかな?」

「郁也にでも会ったんじゃないのー?」



これまた偶然、郁也の学校と宿が一緒だし。



迷うほどの広さもないと思うし、大方、郁也とケンカでもしているのだろう。



「あ、もうこんな時間」

「ははーん。いいよねー、男持ちはイベントが楽しくってさ?」



麗奈は全部を見通した顔で、皮肉を言う。



「でも茜が帰るまでいるよ」

「情けは無用よ!鮎沢ちゃん!」



な、情け?!



< 562 / 606 >

この作品をシェア

pagetop