ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
振り返った先には、満面の笑顔で走ってくる女の子。
「マコちゃん!見て見てー!」
「あ、七海だ」
ナナミ…ちゃん?
ワンの口から初めて聞く名前。
「七海、うちの学校の制服なんか着て、なにしてんの?」
ワンの口調からして、2人が親しい関係であることが分かった。
「入学したの!マコちゃんと同じ学校に!驚いた?!」
たった今、あたし達は新入生の入学式を終えてきたばかり。
まっさらな制服に身を包んだ七海ちゃんは、小柄で可愛らしかった。
「え?なんで?!」
「おばさんには、黙っててもらったの!入学してからマコちゃんを驚かそうと思って!」
「だってお前、うちなんかより、もっとレベルの高いとこ行けたじゃん!」
…なるほど。
「だって、マコちゃんと同じ学校に行きたかったんだもーん!」
ワンを追いかけてきたんだ。
どういう関係かなんて知らないけど、この子がワンを慕っているのは誰が見ても分かること。
だけどそれって…。