ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~



恋人みたいなことなんてしなくていい。



特別なんて求めてない。



「佐倉、あたし行かないと」



ただ君と。



君と一緒にいたいだけ。



笑っていてほしいだけ。



“―――グイッ”



?!



「ちょ、佐倉…?!」

「いかせない、って言ったら?」



は?!



「もう冗談はいーから、手離してよ」



こんな時までコイツは…!



「冗談じゃねーよ」



そう言う佐倉は、やっぱりあたしを真っ直ぐに見る。



「なに、言ってんの…?」



コイツ、本気?!



「…へぇ。そんな焦った顔もするんじゃん」

「は…?」



佐倉を見返すと、ニヤリと笑ってバカにしたような顔。



なっ…騙された?!



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