ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~



「アンタ最低」



佐倉の腕を振り払い、あたしは走り出す。



辺りはすっかり夜になり、人も増えていた。



人込みをかき分け、待ち合わせ場所だったクリスマスツリーが見えてきた。



1人で見ることになるなんて、思いもしなかった。



キョロキョロと辺りを見渡しては見るものの、この人の数。



そう簡単に見つけ出せるはずがない。



犬なんだから、呼んだらきなさいよ!(←呼んでない)



ツリーの下にたどり着いた時、身体はなんだかポカポカしてきていた。



「…はぁ…っ」



もう、どこにいんのよ!



「あ、そっかケータイ!」



なんで今まで気が付かなかったのか、慌ててポケットからケータイを取り出す。



しかし画面を見た途端、あたしは唖然とした。



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