ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~



ほんのちょっと、男の子じゃなくて男に見えた君が怖かった。



だけどそれも君だと言うのなら、あたしは構わない。



怖れない。



「あたし、スーパーで終始ワンの話ししてたんだ」

「え…オレ?」



コクンと頷く。



郁也は、あたしが好きになった奴がどーしても気になるらしく、ひつこく質問してきた。



「本当に好きなの?って聞かれた時、愚問だって答えた」

「ぐ、グモン…?」

「そ、聞くまでもないってこと」



聞くまでもなく、あたしはアンタが好きなんだから。



それでもなお首を傾げるワンと、視線を絡ませた。



「好きだよ」



君が。



だから隣にいて。



笑っていて。



惹かれさせてよ。



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