僕等は、それを恋と呼んだ。
「あ、利揮おはよ」
「おー。詩乃佳おはよー」
そう言って笈原…じゃなくて、利揮が自分の席にいくと、
あたしの目の前にいた依知菜と亜紀がニヤッと笑ったのが分かった。
「ねぇ、今の聞いた?亜紀さん」
「聞いた聞いた。“利揮”だって」
「“詩乃佳”だってー」
「な、何よっ!」
ニヤニヤと笑う二人に、あたしは言う。
べ、別にいいじゃん!!
「いやぁ、別にぃ?」
「別にね、何でもないよね」
…な、何なの。この二人…っ!
完全にからかってんじゃんっ!
「まぁ…何でもないけどぉ、何でいきなり名前呼び?」
「白状しなさい。ん?」
二人に両側から挟まれる。
こ、怖っ!