僕等は、それを恋と呼んだ。



「べ、別に本当に何でもないよっ!
ただ…」

「「ただ?」」

「…昨日、先輩に会ったの」


そう言ったあたしに二人はキョトンとした顔をする。



「え?
それって、えーと圭哉先輩?」


亜紀の言葉に、あたしは頷く。



「へぇ!!笈原もいたの?」

「うん。それで…名前呼びになったというか…」


笈原が嫉妬したというか…


あの時の笈原…じゃなくて、利揮可愛かったな……なーんて。


思い出して笑っちゃいそうだ。



「ふーん。
てか、先輩どうだった?」

「や、別に変わってなかったし…。普通だったよ、本当に今じゃ」



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