僕等は、それを恋と呼んだ。



「「あ」」


お互いの姿を見た途端、あたし達は同時にそう言った。


放課後。


今日は一人で利揮を待っているあたしは、暇だから図書室に行った…


「また会ったな」


ら、先輩に会った。



座ってる先輩はあたしを見上げてニコリと笑う。


「だね。勉強中?」

「あぁ。でも今ちょっと休憩。

…座れば?」


そう言われ、あたしは先輩の前の席に座る。


先輩とこうやって向かいあって座るのなんて、久しぶりだ。


「…先輩は大学に行くの?」


机には、大学の参考書が広げられていた。


しかも結構レベルが高い大学の。



「一応。…あ、俺がこんな頭いい大学は無理だとか思った?」



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