僕等は、それを恋と呼んだ。



「先輩、なんか変わってないね」

「何が?」

「雰囲気と言うか、とにかく変わってない」

「いや、更に男前になったろ?」

「あはは。バカだー」



そう言うと軽く頭をぶたれた。


久しぶりなのに、まるで久しぶりな感じがしない。


まるで付き合ってた時みたいだ。




時が経つとこんな風になったりもするなんて、不思議だ。



「ねぇ、先輩。

そんな男前の先輩は今、彼女いるの?」

「俺は今、コイツが恋人だから」

「うわっ」


勉強道具を指してそう言う先輩に思わず笑いながらそう言うと、ハァとため息をつかれた。



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