僕等は、それを恋と呼んだ。
「真似しないでよ」
ふいっと、あたしは利揮と逆の方を向く。
「詩乃佳ちゃーん。
怒ってんのー?
俺が勉強、教えてあげよっか?」
うざいぃぃ!
ちょっとあたしより頭が良いからって、絶対に調子のってる!
「うざっ、超うざっ!利揮に教わらなくても平気だし!アホバカっ」
「ばーか!素敵な彼氏だろーが」
「はぁ!?」
そう言って思わず利揮の方を向いた瞬間。
何故か利揮の顔がすぐ近くにあって、そのまま唇を奪われた。
「…ちょ…っ!!」
「黙って」
~っ。
低い声で言われて、あたしは黙ってしまう。
「…詩乃佳」