僕等は、それを恋と呼んだ。
また重なる唇に、あたしも目を閉じる。
ずるい。
こんないきなりずるい。
「…ん」
ついさっきまで、ギャーギャー言い合ってたのに。
今じゃ嘘みたいに甘いムード。
深く変わったキスに、もうあたしの頭はクラクラだ。
「…っはぁ」
唇が解放された瞬間、あたしは息を大きく吸い込む。
く、苦しい…っ。
「詩乃佳~」
そんなあたしの様子なんてお構い無しに、利揮はぎゅーっとあたしを抱きしめる。
「…な、何?」
「もうすぐさ、クリスマスじゃん?」
「あー、うん」
その前に恐ろしいテストがあるけどね。