僕等は、それを恋と呼んだ。



また重なる唇に、あたしも目を閉じる。


ずるい。

こんないきなりずるい。

「…ん」


ついさっきまで、ギャーギャー言い合ってたのに。


今じゃ嘘みたいに甘いムード。


深く変わったキスに、もうあたしの頭はクラクラだ。


「…っはぁ」


唇が解放された瞬間、あたしは息を大きく吸い込む。


く、苦しい…っ。



「詩乃佳~」


そんなあたしの様子なんてお構い無しに、利揮はぎゅーっとあたしを抱きしめる。



「…な、何?」

「もうすぐさ、クリスマスじゃん?」

「あー、うん」


その前に恐ろしいテストがあるけどね。



< 118 / 304 >

この作品をシェア

pagetop