僕等は、それを恋と呼んだ。



「どした?」

「え…?」


「詩乃佳、ボーッとしてる」


利揮にそう言われ、ハッと我にかえる。



「何でもないっ!ちょっと寝不足で!」


「そか。ボーッとしてっと危ねぇぞ」

「うん」



いけない、いけない。


何ボーッとしてんの、あたし。



「テストやだなー」

「ねー」



梨音ちゃんと昼休みに会った日以来、気がつけば梨音ちゃんの事を考えてしまう。



…梨音ちゃんは、
別にあたしにライバル宣言したわけじゃないし、ただ利揮の幸せを祈ってるだけで、むしろ応援してくれてる。


でもさ…、梨音ちゃんはまだ利揮が好きなんでしょ…?


辛くないの…かな?



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