僕等は、それを恋と呼んだ。
―――別に、ただの何てことない電話だと思っていた。
でも、次の言葉を聞いた瞬間。
あたしは固まった。
「……梨音?」
え……?
梨音ちゃん……?
心臓がバクンッと不快な音をたてた。
嫌な予感が、した。
「………え?」
驚いた様な声をだす利揮。
繋いだ手に思わず力が入った。
「ちょ…大丈夫かっ!?
今どこだよ!?」
―――バクンッ、バクンッ。
何で、あたし、どうしたの。
何を不安になってんの。
落ち着け…。
でも…、
わざわざクリスマスに利揮に電話するなんて、何かあったの…?
「分かった…っ。
―――今から行くから」