僕等は、それを恋と呼んだ。



………………え?



今から…行く?


何を言ってるの、利揮は……?



「ごめん…っ、詩乃佳、俺………」


電話を切った利揮があたしを見る。



ギュッとあたしは利揮の手を握る力を強めた。



「俺……っ」

「早く行こうよ、イルミネーション…っ!」



利揮の言葉をさえぎってあたしは言った。



そうだよ、イルミネーションに向かってたんじゃん。


イルミネーション今から観るんだよね、うん。




「詩乃佳…」

「早く行かなきゃ混んじゃうもんね…っ!

早く利揮っ」



あたしは利揮を手を引っ張って笑う。



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