僕等は、それを恋と呼んだ。
「っ…せんぱ…」
「…詩乃佳?」
「り、利揮が…っ」
ギュッと先輩に抱きしめられて、視界が急に真っ暗になった。
「せんぱ……」
ギュッと強く抱きしめられる。
冷えた身体が温まっていく。
「…俺にしとけよ…」
「……」
「俺なら泣かせないから…。
こんな風に、詩乃佳を泣かせないから…」
「せんぱ…」
「俺、まだ詩乃佳が好きだ」
頭が真っ白になった。
……先輩が、あたしを好き?
そんな………
「…何回も…、詩乃佳に言おうとしたけど、メールも届かなくて…。
この間、詩乃佳と詩乃佳の彼氏にあった時…、詩乃佳が彼氏と幸せなら諦めようって思った…
けど」