僕等は、それを恋と呼んだ。



「待って!

……あたし、出るよ」

「え?」

「ありがと、お母さん」


そう言ってあたしは玄関へ向かう。


「…圭ちゃん…!」


約5日ぶりぐらいに出た外は寒かった。


「久しぶり」

「わざわざ、家まで来てくれたのっ?」


先輩にあたしは近づいて言う。


「…あー、携帯繋がんないし。
心配だったから」

「あ……ごめん、携帯の電源切ってたんだ…。
心配かけて、ごめんね」
「ううん」

「……」



そう言ったきり、沈黙が流れる。


先輩と会うのはクリスマス以来。


……気まずい。



「なぁ、明日さ。

初詣、行かね?」



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