僕等は、それを恋と呼んだ。



「…え?」


初詣……?



「神社行こうよ」

「…え」

「こうゆう時はさ、気分転換もいいと思うよ?」

ニッと優しく笑う先輩に、胸がぎゅぅっとなる。


「だから、行こうよ?な?」


先輩は、優しい。



「…うん」

「じゃあ、明日の朝迎えにくっから」

「…うん」

「ちゃんと食べて、寝ろよ?」



ポンッとあたしの頭を撫でると、先輩は帰っていった。



「……」

先輩の後ろ姿が消えてから、あたしは自分の頭に触れる。


先輩の撫でた、頭。



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