僕等は、それを恋と呼んだ。



いや!こういう奴だと知ってるからこそ、好きなんだけどさ!


そうなんだけどさ!



「何呆れた顔してんだよ、矢田」

「…いや、別にぃ」



…しいて言うなら、あたし達を見ていつまでもニヤニヤしてる亜紀と依知菜が気になります。



「ま、いいけど!
んじゃ俺は席につくか!」


そう言って笈原は笑うと、自分の席に行く。



今日の笈原は何だかいつもより元気。な気がする。



ニコニコ笑ってるし。



「…朝から暑いねぇ」


わざとらしく手で顔を扇ぎながら、ふぅと軽くため息をつく亜紀。



お姉系…いや、女王様系の亜紀は今日もメイクはバッチリで、ロングの赤茶色の髪はクルクルと巻かれている。


いつ見てもキレイで大人っぽい。



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