僕等は、それを恋と呼んだ。
3・2・1…
『あけましておめでとうございますっ!!!』
「あけたな」
TVの中から、ワーワー騒ぐ声が聞こえる。
「おめでとう、詩乃佳」
お母さんとお父さんも年が明けたと同時に笑ってそう言う。
「…うん、おめでとう」
あたしも一緒になって、笑った。
…今年が終わった。
って、もう今年が始まったから去年か。
「………」
さっき。
あたしはずっと切っていたケータイ電源をいれた。
20しか残らない着信履歴は、ほぼ利揮で。
たまに先輩からだった。