僕等は、それを恋と呼んだ。



録音が残っていたけど、あたしは聞いてない。


メールは、利揮と先輩から何十件も来ていて
依知菜や亜紀、湊からも来ていた。


利揮からの一番新しいメールを1つだけ開いた。



“お願い、電話出て”


…送られてきたメールの時間は、本当についさっきだった。


あたしは、少し震える手で返信メールをつくった。



“別れよう。今まで、ありがと”



送信。


そのボタンを押すのに何分も時間がかかった。



送信完了。

その文字が画面に出た瞬間、涙が出た。



……あたしは、利揮が好き。

だから、無理なんだ。


このままなんて、無理なんだ。




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