僕等は、それを恋と呼んだ。



呼び止められた理由は分かる。


……利揮のことだ。



「あの…っごめん」



“ごめん”



それは、何のごめん?



クリスマスのこと?


それとも、利揮が梨音ちゃんを選んだことに対して?




「…本当にごめん。

利揮は…利揮は悪くないのっ。
あの日ね…っ」

「もういいの」



利揮が、悪いとしても悪くないとしても。




そんな話、



聞きたくない。




「…詩乃佳ちゃ…」

「別れたの」

「え…?」

「利揮とは別れたんだ。だから、もういいの。

ごめんね、梨音ちゃん」



< 160 / 304 >

この作品をシェア

pagetop