僕等は、それを恋と呼んだ。
呼び止められた理由は分かる。
……利揮のことだ。
「あの…っごめん」
“ごめん”
それは、何のごめん?
クリスマスのこと?
それとも、利揮が梨音ちゃんを選んだことに対して?
「…本当にごめん。
利揮は…利揮は悪くないのっ。
あの日ね…っ」
「もういいの」
利揮が、悪いとしても悪くないとしても。
そんな話、
聞きたくない。
「…詩乃佳ちゃ…」
「別れたの」
「え…?」
「利揮とは別れたんだ。だから、もういいの。
ごめんね、梨音ちゃん」