僕等は、それを恋と呼んだ。
もう思い出さない
「詩乃佳ー!!今日から、学校でしょ。起きなさーい」
朝っぱらから、お母さんの大きな声が響く。
今日から、学校だ。
「もう、起きてる!」
「あら、珍しい。
ちゃんと学校行くのよ?」
「うん。行くよ」
学校に行けば、利揮に会うことは確実。
そりゃ同じクラスだしね。
利揮に会っちゃうからといっても、もちろん学校は休めない。
ずっとずっと避けてはいられない。
逃げてられない。
「ふぅ」
ケータイの電源を入れる。
利揮からの着信とメールに少し胸がズキンとなる。