僕等は、それを恋と呼んだ。



もう逃げない。


もうあたしは終わりにしたんだから。



「いってきます」


一応、普段より早く家を出た。


もし利揮が家の前で待ってたら、とか、

そんなバカみたいな事を考えちゃって、


落ち着かなくて、



いつもより早く家を出た。






「おはよう」

「…圭ちゃん…」



壁に寄りかかって、あたしを待ってる圭ちゃんがいて驚いた。


外、寒いのに。



「一緒、行こ」

「…うん」



優しすぎるよ。



圭ちゃんの気持ち、
あたしは受け入れてあげれないのに。

突き放しもできてないのに。



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