僕等は、それを恋と呼んだ。



真剣な表情をした依知菜。


その横にいる亜紀も、真剣な表情をしている。



「…どうした…の?」

「あのね、詩乃佳…

笈原となんかあった?」



―――“笈原”

その言葉に胸がドクンと鳴った。



「…三学期始まってから二人…1回も話してないし。それに詩乃佳、冬休みも連絡とれなかったし…なんか無理して元気な感じだし…。

冬休みになんか、あった?」



依知菜はそう言って心配したようにあたしを見る。



……二人は心配してくれてたんだ。


……無理に元気にしてたのにも、気付いてたんだ。



「……別れちゃったんだ」



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