僕等は、それを恋と呼んだ。
“別れよう”
そう言った詩乃佳の声が、頭から離れない。
冬休みの間、
何度携帯に連絡しても返事は来なく、家に行っても詩乃佳のお母さんに苦笑いされるだけで会えなくて。
別れる、とメールで言われたから分かっていた。
分かっていたけど、実際言われるのとは違くて。
嫌われた。
…はっ、当たり前か。
俺は最低な奴なんだから。
「…ごめん、利揮…」
「梨音のせいじゃないから」
「でも、あたしが電話しなければ…っ」
「違うから」
俺が、泣かせた。
だから、俺が悪いんだ。