僕等は、それを恋と呼んだ。
優しく笑う梨音。
「詩乃佳ちゃんといる時の、利揮は一番幸せに見える。
まだ、諦めちゃダメだよ。頑張って」
「……梨音、」
「あたしも、頑張る。
もう利揮には頼ったりしないで、頑張る」
――ごめん。
俺はたくさん梨音を傷つけたのに、
なのに、何で、お前そんなに優しいんだよ。
俺、最低なのに。
好きな女、傷つけてばっかなのに。
「頑張ろう、利揮」
―――ごめん。ごめん。
だけど…、
謝る言葉なんか、きっと梨音はいらないと思うから。
だから、
「――ありがとう」
梨音の優しいとこ、真っ直ぐなとこが大好きだった。
大好き…だった。