僕等は、それを恋と呼んだ。



「依知菜ーっっ!」


2組のドアを開けた瞬間、バビュンと真島があたし達の前にやってきた。


「同じクラスだなっ」

「あっそー」


ニカッと笑う真島に、依知菜は適当にそう言って黒板に書いてある席に座る。


「ガーン!!」

「真島どんまい」

「どんまい」


あたしと亜紀も真島にそう言って席に荷物をおきにいく。


あたしは矢田で、亜紀が野川で、依知菜が桐野だから見事に名字がバラバラで席もバラバラ。



…あ、真島は“ま”だから、あたしの前の席だけど。



「…てか、あたし窓側の前から二番目…」



最悪。



最初は名前順だもんなぁ。



< 209 / 304 >

この作品をシェア

pagetop