僕等は、それを恋と呼んだ。
「依知菜ーっっ!」
2組のドアを開けた瞬間、バビュンと真島があたし達の前にやってきた。
「同じクラスだなっ」
「あっそー」
ニカッと笑う真島に、依知菜は適当にそう言って黒板に書いてある席に座る。
「ガーン!!」
「真島どんまい」
「どんまい」
あたしと亜紀も真島にそう言って席に荷物をおきにいく。
あたしは矢田で、亜紀が野川で、依知菜が桐野だから見事に名字がバラバラで席もバラバラ。
…あ、真島は“ま”だから、あたしの前の席だけど。
「…てか、あたし窓側の前から二番目…」
最悪。
最初は名前順だもんなぁ。