僕等は、それを恋と呼んだ。



「詩乃佳、どーかした?」

「え!?」


――放課後、教室で三人でお喋り。


ついつい依知菜をチラチラ見てしまっていたあたしに、依知菜はそう言って首を傾げる。


「あたしの顔、なんかついてる?」

「う、ううん!!
…ボーッとしてただけ!!何でもないよ!!」

「なぁんだ」


危ない、危ない…。


なんて、あたし分かりやすいんだ!


で、でもさ…っ?


真島が言ってた“依知菜の好きな人”が気になって仕方ない。


ついつい依知菜を見てしまう。


だって、依知菜に……好きな人だよ?


…気になる。


やっぱ、聞いてみようかなぁ……。



< 214 / 304 >

この作品をシェア

pagetop