僕等は、それを恋と呼んだ。
「詩乃佳、どーかした?」
「え!?」
――放課後、教室で三人でお喋り。
ついつい依知菜をチラチラ見てしまっていたあたしに、依知菜はそう言って首を傾げる。
「あたしの顔、なんかついてる?」
「う、ううん!!
…ボーッとしてただけ!!何でもないよ!!」
「なぁんだ」
危ない、危ない…。
なんて、あたし分かりやすいんだ!
で、でもさ…っ?
真島が言ってた“依知菜の好きな人”が気になって仕方ない。
ついつい依知菜を見てしまう。
だって、依知菜に……好きな人だよ?
…気になる。
やっぱ、聞いてみようかなぁ……。