僕等は、それを恋と呼んだ。



バチッと重なった視線に笑ってた笈原も表情を戻した。



ドキン、と胸が跳ねる。


どこまでもあたしの身体は分かりやすい。



笈原に反応してしまう。

ドキドキと鳴る胸が“好きだ”と言う。



って!え!どうしようか!


反らすのはおかしい!

じゃあ、手でも振るべき!?



え?でも、手…ふっていいのかな?



いつもなら“見てませんよ~”って感じで急いで視線を反らしてたけど……



今はあたし、笈原の彼女だよ……ね?



「…っ」



“ばーか”

そんな事を考えてたあたしに、

口パクで笈原はそう言って、ニィッといつもの無邪気な顔で笑うとピースしてきた。



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