僕等は、それを恋と呼んだ。



「俺、バカだからさ…。

こんぐらいしなきゃ忘れられないし。
それに、依知菜は俺がいなくても全然平気そうだし」

「そんな事…っ!」



真島が笑うから、
あたしが悲しくなってくる。



…だって、

真島は依知菜が好きなのに…。


「俺なりの、けじめっ!
お前がそんな顔すんなよー」


そう言われ、髪をグシャグシャにされる。



おい!!!!

…といつもなら言うけど、なんか今日は言えない。


何だろう。


真島が本当に自分にかぶってしまうよ…。



「いいんだよ、これで。
心配してくれてサンキュー」

「うん…」



いいのかな、これで。


本当に…。


本当にいいのかな……。


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