僕等は、それを恋と呼んだ。



けど、それは、

二人ともあたしに気を使ってくれてるんだと思ってた。



…何も知らないけど、二人はきっと幸せなんだろうと思ってた。



―――そう、あたしは勝手に思っていた。



「今日、矢田ヒマだろ。
だから皆でカラオケ行こうぜぇい」


…おい。


何で“ヒマだろ”って勝手に決めつけてんの!

どんだけ、あたしヒマ人に見えるんだよ!



……実際、今日ヒマなのが悔しい。



もし予定があったら

“あたしだって、いつでもヒマなわけじゃないんだ!!”とか言えたのに。


「誰来るの?」

「うちのクラスの奴ら、らしい」



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