僕等は、それを恋と呼んだ。



「何、歌うー?」


あたしは一番の端の真島の隣に座った。


向かい合わせには依知菜と亜紀がいる。



利揮は真島の隣の隣にいるから、近いようで遠い。



「なぁ矢田!

これ、歌えよ!」

「えー。やだ。
あ、真島これ歌いなよ」

「俺が歌うとみんな惚れるよ?」

「……」

「…おい!シカトかよっ!!!!」

「お前ら仲良いよなー」


真島と二人で話していると、真島の隣(あたしの隣の隣で、利揮の隣)に座る男子が言う。



「実はデキてるとかぁ?」

「ちっげぇよ!
まぁ、詳しくは秘密~」

おい…。秘密って。



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