僕等は、それを恋と呼んだ。



―――頭が混乱する。



息が苦しい………。



「好きな奴いんの?」

「…あぁ」



――ドクン。


また、大きく心臓の音が鳴る。



頭が本当に混乱する。


冷静になれ。



利揮が好きなのは、梨音ちゃんだ。



うん。だから、あの日、利揮は…あたしを置いて梨音ちゃんのとこに――――…


あたしを……置いて……


「ごめん!俺、ちょっとトーイレ!」


そう言って隣に座る真島が突然立ち上がる。


……え。


ちょ…



この状況で行くな!!!!



「ほら。矢田、行くぞ」

「え……」



グイッと真島に腕を引っ張られる。



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