僕等は、それを恋と呼んだ。
side 亜紀
「アイツら、やっぱデキてるっぽいよなぁ~~」
真島が詩乃佳を連れて出て行ったカラオケの部屋で、目の前に座るクラスメートが言う。
あたしから見れば、
真島と詩乃佳がそうゆう関係では絶対にないってのが分かる。
だって、詩乃佳は多分まだ笈原が好き。
…言わないけど、見てれば分かる。
真島だって、
いきなり依知菜を避けはじめたけど、まだ絶対に依知菜に気があるはず。
依知菜バカだもん、アイツは。
「戻ってこねぇんじゃねぇの、アイツら!」
「かもなぁ!!!!!」
ケラケラと皆が笑う中、
あたしの斜め前に座る笈原は、詩乃佳達が出ていったドアをジッと見つめている。