僕等は、それを恋と呼んだ。



そう言いながら、依知菜はだんだん笑顔が無くなっていく。


「……っでも、いないとやなの。
詩乃佳が…羨ましいの。

あたし、バカだよね!!」

「…バカじゃないよ。
依知菜は真島が好きなんだよ。
良かったじゃん、気付けて」

「……っ」


ううーっ、といきなり泣き出す依知菜。



本当に依知菜は鈍感だ。


「……もう竜、あたしが好きなわけないよ…っ」

「分からないじゃん。真島に聞いてみなきゃ」

「……」



真島は、まだ依知菜が好きなはず。



だから、大丈夫。

きっと、大丈夫。



「たっだいまーー!!!!」

ナイスタイミングで真島が戻ってくる。



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