僕等は、それを恋と呼んだ。
ドクン。と、大きく心臓が跳ねた。
真剣な表情をする利揮と目が合う。
「…俺、」
―――嫌だ。
怖い。
何を言うの。
何で、今?
あたしはまだ、完全に吹っ切れてない。
利揮とのこと、まだ過去にできてない。
だから、聞きたくない。
「俺な…」
「――ご、誤解されちゃうよっ」
とっさにあたしは笑顔を作って、そう言う。
「も、もし誰かに2人でいるの見られたりしたら誤解されちゃうよ!
も、戻ろ!」
―――利揮には、好きな人がいるんだから。
もし元カノのあたしと、こんなとこで2人で居たら誤解されちゃうよ…。