僕等は、それを恋と呼んだ。



「俺は誤解されてもいい」

「え…?」


何…?


誤解されてもいい?


何で……。



「だ、ダメだよ。
好きな人いるんでしょ?

ね、戻ろ――」

「詩乃佳だよ」

「え…?」

「俺が好きなのは詩乃佳だよ」



―――何を言ってるのかと思った。


言葉の意味が分からなかった。



好き…?


あたし…?



「何言って……。

え?だって、利揮は梨音ちゃんと…」

「俺、梨音とは何もないよ、ずっと。

俺はずっと詩乃佳が好きだよ」


…な、何を言ってるの。


だって、利揮はクリスマスのあの日。

あたしじゃなくて、梨音ちゃんのとこに行ったじゃん…。



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