僕等は、それを恋と呼んだ。
一つの恋
「話が、ある」
次の日。
少し早く学校に来たあたしに、依知菜が言う。
「…うん?どうしたの?」
「…その、」
気まずそうに、動揺した感じに視線を左右に動かす依知菜。
どうしたんだろう?
……昨日あたしはあの後すぐに帰ったけど、なんか、あったのかな…?
もしかして、利揮のこと……?
「えと、んーと。実は…」
どうしよ、なんか聞くのが怖い―――。
「りゅ、竜と付き合うことになった……」
「…。え」
竜………って言うのは真島だよね。
うん。真島しかいないよね。