僕等は、それを恋と呼んだ。



「は?きもい」


それをサッとよける依知菜。


あはは。相変わらずだ。

そうだよね、これがこの二人だ。



「がーん!!ショック!」

「うざいんだけど、声デカイし」



あたしは二人を笑顔で見つめる。



―――いいなぁ。



あたしも、真島と依知菜みたいになりたい。


あたしも――…、



…利揮となりたかった。



――昨日のことが頭から離れない。


良かったんだ、と思う。

でも本当に良かったの?、と思う。


それの繰り返し。



今さら時間なんて戻せないのに、


あの時、どうしてれば良かったのか、と


こうしてれば良かった、と考えてしまう。



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