僕等は、それを恋と呼んだ。



今さら時間なんて戻せないのに、





本当に、


バカなバカな、あたし。


「おーー!利揮、おはよ」


――どきん。


あたしは思わず教室の扉に視線がいく。


教室に入ってきた利揮とちょうど目があった。



「おはよ、矢田」





……“矢田”



――あぁ、そうだよね。


友達に戻るんだもんね。


それを、あたしが望んだんだ。




あたし、が。







“友達に戻る”



……あたしは、利揮と友達に戻るんだ。



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