僕等は、それを恋と呼んだ。



自分のことなのに、分からない。


何で、あたしは上手く恋ができないんだろう。


他の人だったら、どうするのかな。



「詩乃佳、教室移動いこっ」

「あ、うん」


いつもの様に、あたしは亜紀と依知菜と廊下を歩く。



「なぁ、依知菜!」


でも今日は真島も一緒。


依知菜の横で笑う真島を見て、利揮の横で笑ってた自分を思い出した。



……好きなのに。


今でも利揮が大好きなのに。



あたしは、利揮が――……



「…あ…」

「詩乃佳ちゃん…」



……梨音ちゃん。



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