僕等は、それを恋と呼んだ。



こうしてバッタリと会うのは久しぶりだ。


優しい笑みをつくる梨音ちゃんに、あたしも笑みをつくる。


「ごめん。今、ちょっと話せないかな?」


そう言った梨音ちゃんにあたしは頷いた。









「あの、ね…ずっと言おうとしてたんだけど……クリスマスはごめんね。


利揮に電話するなんて、あたし本当にずるくて最低だった…」


依知菜達に先に行ってもらい、二人になると俯いて梨音ちゃんがそう言う。


クリスマスの話は利揮に聞いた。


ずっと何も知らなくて利揮に電話した梨音ちゃんをあたしは“ずるい”と思ってた。



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