僕等は、それを恋と呼んだ。
自分が傷つくのが、怖くて逃げてる。
……このまま、利揮を忘れるなんて無理なのに。
「梨音ちゃん、あたしもごめんね、ありがとう」
「うん。呼び止めて、ごめんね?」
「ううん、またね」
二人で笑って手を振った。
あたしも梨音ちゃんも、
利揮に恋をして、
お互いが羨ましくて、
お互いの気持ちが痛いほど分かった。
ライバルというか、友達というか、不思議な関係。
梨音ちゃんは前に進んだ。
あたしも前に進む。