僕等は、それを恋と呼んだ。



「なぁ、矢田」

「ん?」

「矢田は利揮と…話したんだろ?」

「あ…うん」



昨日のことを思い出し、胸がズキンと痛む。



「どうだった…?」

「……あのね、」

「うん」

「昨日――…」



昨日のことを話していく。



…利揮に言われたこと。


クリスマスのこと。


梨音ちゃんのこと。


梨音ちゃんと話をしたこと。


あたしの気持ちを。




「…付き合っちゃえばいいんじゃね?」


ケロッとそう言った真島に、あたしはため息をつく。


そんなの簡単にできるなら、最初から付き合ってるよ…。



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