僕等は、それを恋と呼んだ。
―side 亜紀―







「詩乃佳…?」




――放課後。


最近いい感じの関係の他校の達也くんと一緒にいると、

走ってどこかに向かってる詩乃佳が見えた。



「友達?」


達也くんが、あたしに言う。


「うん。なんか急いでたみたい」


なんとなく、勘だけど…


詩乃佳は笈原と会いに行くんじゃないかと思った。



詩乃佳の表情が、


笈原といる時、笈原の話をした時の顔をしていたと思ったから。




「そっか」

「うん。行こっ」



あたしは、笑う。


依知菜と真島は上手くいった。


きっと詩乃佳と笈原も上手くいく。




「ねぇ、達也くん」

「ん?」



あたしも、頑張ろう。


依知菜みたいに、詩乃佳みたいに、



頑張ろう。


< 282 / 304 >

この作品をシェア

pagetop