僕等は、それを恋と呼んだ。



「さっきの元彼の元彼女じゃん。

何、フラれ同盟?」


詩乃佳ちゃんと話をして、遅れて教室に入ってきたあたしに、言うのは隣の席の日山(ひやま)くん。



3年になって初めて同じクラスになった、ちょっとぶっきらぼうな男の子。



「違うよ。

それに、もう好きじゃないし」


今は、友達として心からあたしは利揮を応援してる。



「…ふーん…」

「うん」

「……じゃあ、今、好きな奴いんの?」

「うん。日山くん」



そう言った瞬間。


ガタタッと音をたてて、日山くんが椅子から立ち上がった。



「…おま…っ!!」

「うそ。本気にしちゃった?」

「は?え?あ?う…うそ?」



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