僕等は、それを恋と呼んだ。



――…新しい恋をすると、その前の恋は自然と過去となる。



あたしも、詩乃佳ちゃんと利揮みたいに想いあえるような相手を見つけたい。


利揮以上に、好きになれる相手を。



「…っ。なんだよ、お前っ」


そう言う日山くんは耳まで赤い。


「うそ」

「あ~もう、うそって分かったっつーの」

「だから、うそがうそなんだよ?」


そう言って、あたしは笑った。


「は?うそのうそ?え?はぁ!?」



利揮。


あたしも頑張る。


だから、利揮も頑張って。



いっぱいいっぱいありがとう。


利揮の隣にいれて、幸せだった。



とっても大好きでした。



「……まじ?」


真っ赤な顔でそう言った日山くん。



そんな日山くんに、あたしは笑った。



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