僕等は、それを恋と呼んだ。
「…失礼します」
利揮のお母さんに頭を下げて、利揮の家から少し離れる。
利揮の家の前にいたら、利揮のお母さんが気を使うかもしれないと思ったから、
少しだけ利揮の家から離れた、利揮がいつも帰ってくる道にあたしは座りこんだ。
電話すれば、すぐに利揮は来るかもしれないと思ったけど、
あたしは電話しなかった。
会いたかったのは、あたしだし。
いきなり来たのは、あたしだし。
………それに、何故かただ利揮を待ってるだけで、あたしは幸せな気持ちになれた。
早く会いたい。
でも、ずっとずっと利揮が来るのを待ってたい。